はじまりのうた

あるひ、森の隅っこに位置するアトリエに住みこみのフクロウさんがいて、その動きをなんとなくみていたんですが、とてもゆっくりと、でも働き者でマイペースっていうのか、なんかいいなあと思った。
最近は花を生けるのが好みなようでした。


そこの管理人として、夜中にワインを飲み、素敵な場所をひとりじめする贅沢を語りながら、明らかに酔いをましてたフクロウさんは、明け方には吐いていましたが、そんな風になっても、まわりのひとをしあわせな気持ちにさせてくれるんでした。


そいでね、その日はお昼頃からテニスのライヴをするというので、私たちはそこにいたんですけど、フクロウさんがそのスペースの奥に瓶を並べてた。その日は、周りでとってきた草やお花もさしてあった。
近くの工場とか、どっかで拾ってきたビンをきれいにして、そこに窓の光がはいってきたらなんだか水槽みたい。


食べ物をつくるお姉さんと、ビンをいくらで売るかについて、フクロウさんが話しているのが耳に入ってきました。
「100円かなー、やっぱり、200円かな。
 うん、一つ100円にしよう!」


感動した。
私もそういう風になりたい。